01 / FACT
Fact(確認できる事実)
- 金融商品取引法第46条の6は、第一種金融商品取引業を行う金融商品取引業者に対し、固定化されていない自己資本の額を市場リスク・取引先リスク・基礎的リスクの各相当額の合計で除した自己資本規制比率を算出し、120%を下回らないよう維持することを定めています。
- 金融商品取引業者は自己資本規制比率を毎月末等に内閣総理大臣へ届け出るほか、毎年3月、6月、9月及び12月の末日の比率を記載した書面を公衆縦覧に供する必要があります。
- 金融庁の監督指針は、自己資本規制比率が長期又は反復して140%を下回る場合の状況把握、120%を下回る場合の回復計画等の確認、100%未満の場合を含む監督上の命令等を定めています。
- JVCEAの財務管理規則は、暗号資産交換業を行う事業会員(暗号資産)に適用されます。ただし、暗号資産関連デリバティブ取引を行う事業会員には金融商品取引法第46条の6の自己資本規制比率が適用され、同規則の適用対象から除かれます。
- JVCEAの事業会員(暗号資産)は、固定化されていない自己資本の額を市場リスク・取引先リスク・基礎的リスクの各相当額の合計で除して財務健全性指数を毎月末に算出し、100%を下回らないよう維持する必要があります。
- JVCEAの財務管理規則は、財務健全性指数が120%未満となる場合の原因等の報告、100%未満となる場合の改善措置と説明、80%未満となる場合の取締役会承認済み改善事業計画の提出を定めています。
- 自己資本規制比率と財務健全性指数は算式の構造が似ていますが、根拠、適用対象、最低水準及び水準低下時の手続が異なる制度です。
02 / SUMMARY
Summary(要約)
一次情報の範囲を超えない具体的な要約を、確認の補助として表示します。
- 「自己資本規制比率」は主に第一種金融商品取引業者に対する金融商品取引法上の指標です。一方、暗号資産交換業のみを行うJVCEA事業会員(暗号資産)には、JVCEA規則上の「財務健全性指数」が適用されます。暗号資産事業者の財務指標を確認する際は、会社名や事業内容だけで一方の制度を当てはめず、その事業者の登録業種とJVCEA規則の適用関係を確認する必要があります。
- 自己資本規制比率は、資本金・準備金等に一定の補完項目を加え、固定資産等を控除した「固定化されていない自己資本」を、市場リスク・取引先リスク・基礎的リスクの各相当額の合計で除して算出します。金融商品取引法は第一種金融商品取引業者に120%以上の維持を求め、月末等の届出と四半期末の比率の公衆縦覧を定めています。
- 金融庁は、140%を下回る状態が長期又は反復する第一種金融商品取引業者について、報告徴求等により状況を把握します。120%を下回った場合、金融庁は回復計画、顧客資産の分別管理及び資金繰り等を確認します。100%未満では、公益又は投資者保護のため必要かつ適当と認められる場合に最長3か月の業務停止命令の対象となり、その後も回復の見込みがなければ登録取消しの対象となり得ます。
- JVCEAの財務健全性指数も、固定化されていない自己資本を市場リスク・取引先リスク・基礎的リスクの各相当額の合計で除して算出します。ただし、JVCEA規則は事業会員(暗号資産)に毎月末の算出、取締役会への報告及び100%以上の維持を求めています。算出の細部には、暗号資産のリスク・ウェイト、劣後借入金等の取扱い及び基本的リスク相当額の調整が含まれます。
- 財務健全性指数が120%未満となった事業会員(暗号資産)は、原因、理由及び改善の方向性をJVCEAへ速やかに報告する必要があります。100%未満では必要な改善措置を速やかに講じてJVCEAへ説明し、80%未満では取締役会の承認を得た改善事業計画を速やかに提出する必要があります。内部監査部門は、指数が継続して100%以上となるまで改善状況を監視し、取締役会等へ報告します。
- 暗号資産関連デリバティブ取引を行うJVCEA事業会員には、金融商品取引法上の自己資本規制比率が適用されます。JVCEAの財務管理規則は、この事業会員を財務健全性指数の適用対象から除いています。暗号資産現物取引とデリバティブ取引を兼営する事業者を比較する場合は、公表資料に記載された指標名と根拠条文を確認する必要があります。
- この記事は、各制度の適用関係、算式及び主な水準を整理するものです。個別事業者の現在の比率、財務の健全性又は改善状況は判定していません。最新の数値は各事業者の公表資料を、制度の現行内容は金融庁、e-Gov法令検索及びJVCEAの一次情報を確認してください。
03 / COMMENTARY
Commentary(解説)
背景や論点の解説です。人による確認を終えた内容だけを表示します。
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04 / PRACTICAL IMPACT
Practical Impact(実務影響)
一次情報をもとに、対象・重要度・対応要否の観点で実務上の影響を整理します。
- 対象
- 暗号資産交換業者、JVCEA会員、コンプライアンス担当者、監査担当者、機関投資家
- 重要度
- 高
- 対応要否
- 影響度要確認
- 影響範囲
- 広範
内容
暗号資産事業者の財務指標を確認する担当者は、対象会社が第一種金融商品取引業を行うか、JVCEAの事業会員(暗号資産)として財務健全性指数の対象となるかを、登録情報と公表資料から区別する必要があります。そのうえで、自己資本規制比率の120%、財務健全性指数の100%及び各報告水準を混同せず、対象期間、算式、取締役会への報告及び改善手続を確認する必要があります。
