01 / FACT
Fact(確認できる事実)
- 金融庁は、法定通貨の価値と連動するいわゆるステーブルコインの仲介等を業として行うことを、電子決済手段等取引業・電子決済等取扱業の制度案内で説明しています。同制度は2023年6月1日に開始されました。
- 資金決済法第2条第5項は、電子決済手段を四つの類型に分けて定義しています。
- 同条第10項は電子決済手段等取引業を、電子決済手段の売買・交換、その媒介・取次ぎ・代理、他人のために行う電子決済手段の管理、及び資金移動業者の委託を受けて行う利用者の当該資金移動業者に対する債権額の増減のいずれかを業として行うことと定義しています。
- 同条第11項は電子決済手段関連業務、第12項は第62条の3の登録を受けた電子決済手段等取引業者を定義しています。
- 金融庁は2026年6月1日に電子決済手段・暗号資産サービス仲介業の制度を開始し、所属業者の委託を受けて行う電子決済手段又は暗号資産の売買・交換の媒介を対象行為として案内しています。
- ASBJの実務対応報告第45号は、資金決済法上の第1号、第2号及び第3号電子決済手段等について、会計処理及び開示の当面の取扱いを定めています。
02 / SUMMARY
Summary(要約)
一次情報の範囲を超えない具体的な要約を、確認の補助として表示します。
- 金融庁は、法定通貨の価値と連動するものを「いわゆるステーブルコイン」と表現し、その仲介等を電子決済手段等取引業・電子決済等取扱業の制度案内で説明しています。一方、資金決済法は「ステーブルコイン」という名称ではなく、電子決済手段を第1号から第4号までの類型で定義しています。商品名や価格連動の説明だけでは、法令上の類型は確定しません。
- 第1号電子決済手段は、物品・サービスの代価の弁済に不特定の者へ使用でき、不特定の者との間で購入・売却できる通貨建の電子的な財産的価値で、電子情報処理組織により移転できるものです。有価証券、電子記録債権、前払式支払手段その他これらに類するもの(流通性等を考慮して内閣府令で定めるものを除きます。)及び第3号電子決済手段は、この類型から除外されます。
- 第2号電子決済手段は、不特定の者を相手方として第1号電子決済手段と相互に交換でき、電子情報処理組織により移転できる通貨建の電子的な財産的価値です。第1号が代価弁済と不特定の者との購入・売却を要件とするのに対し、第2号は第1号電子決済手段との相互交換可能性を要件とします。
- 第3号電子決済手段は、特定信託受益権です。資金決済法第2条第9項は、特定信託受益権を、電子情報処理組織で移転できる財産的価値に表示される金銭信託の受益権のうち、受託者が受け入れた金銭の全額を預貯金で管理することその他の内閣府令所定の要件を満たすものと定義しています。
- 第4号電子決済手段は、第1号から第3号までに準ずるものとして内閣府令で定めるものです。第4号への該当性は、法律の文言だけでなく、同号に基づく内閣府令の指定内容を含めて確認する必要があります。
- 資金決済法は、電子決済手段という客体を第2条第5項で、電子決済手段等取引業という行為を同条第10項で、登録を受けた電子決済手段等取引業者を同条第12項で、それぞれ定義しています。対象となる価値の類型、提供する機能及び登録主体は、別の要件として整理する必要があります。
- 電子決済手段等取引業は、電子決済手段の売買・交換、その媒介・取次ぎ・代理、他人のために行う電子決済手段の管理、及び資金移動業者の委託を受けて行う利用者の当該資金移動業者に対する債権額の増減の四つの行為類型のいずれかを業として行うことです。金融庁の制度ページは、関係法令と登録申請・届出様式への導線を掲載しています。
- 電子決済手段・暗号資産サービス仲介業のうち電子決済手段仲介行為は、電子決済手段等取引業者以外の者が、その取引業者の委託を受け、その取引業者のために電子決済手段の売買・交換の媒介を行うものです。自己による売買・交換、取次ぎ・代理又は利用者財産の管理は、この仲介行為の定義とは分けて確認する必要があります。
- 金融庁は、電子決済手段等取引業者登録一覧に、所管、登録番号、登録年月日、業者名、所在地及び取り扱う電子決済手段等を掲載しています。同一覧は、掲載された電子決済手段が各業者の説明に基づき資金決済法上の定義に該当することを確認したものにすぎず、金融庁・財務局による価値保証又は推奨ではないと明記しています。
- ASBJの実務対応報告第45号は、第1号、第2号及び第3号電子決済手段を対象とし、外国電子決済手段は利用者が電子決済手段等取引業者に預託しているものに範囲を限定しています。同報告は、取得・移転・払戻し、期末評価、外貨換算、預託電子決済手段及び注記の取扱いを定め、第3号電子決済手段の発行者側には実務対応報告第23号を適用するとしています。
03 / COMMENTARY
Commentary(解説)
背景や論点の解説です。人による確認を終えた内容だけを表示します。
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04 / PRACTICAL IMPACT
Practical Impact(実務影響)
一次情報をもとに、対象・重要度・対応要否の観点で実務上の影響を整理します。
- 対象
- ステーブルコイン関連事業者、電子決済手段等取引業者、資金移動業者、コンプライアンス担当者
- 重要度
- 高
- 対応要否
- 影響度要確認
- 影響範囲
- 市場全体
内容
ステーブルコインの発行、流通、売買・交換の媒介又は利用者のための管理を企画する事業者は、対象となる価値の法的構成と提供機能を分けて整理し、電子決済手段の類型、除外規定及び関係する登録制度を一次資料で確認することが重要です。個別の該当性や登録要否は、関係法令・府令・ガイドライン及び所管当局や専門家への確認が必要です。
- 対象
- 法人顧客、監査担当者、会計・税務担当者
- 重要度
- 中
- 対応要否
- 影響度要確認
- 影響範囲
- 中程度
内容
電子決済手段を保有、受領又は決済に利用する法人と、その会計・監査担当者は、一般的な商品呼称だけで会計処理を選択せず、資金決済法上の類型とASBJ実務対応報告第45号の対象範囲を照合することが重要です。個別取引の会計・税務上の取扱いは、契約条件と事実関係を踏まえて専門家に確認してください。
